「コメンテート殺人事件」2024年10月3日の日記

日記
https://x.com/BunshunBungei/status/1841670164267598042

・『イッツ・ダ・ボム』(井上 先斗)という小説の書評が、現在発売中の週刊文春に掲載されています。よろしければ……。

・面白かった。普段あまり読まないタイプの犯罪小説なのだけど、かなりスルスル入ってくる。「ストリートグラフィティとかやってる人ってちょっと……キツいっすわ……公共のものにスプレー吹いて何がアートなんすか……」という感じで見てる人こそ読んでみてほしい。きっと気にいるから、というわけではなく、反応が気になるから。

・まさにそういう価値観が本書の中核には含まれてるのだ。現代的な、ネットを通じて刷り込まれた「迷惑」を察知する鋭敏な感性と、別にそれを芯から信じてるわけじゃなくて刷り込みで形成された道徳観に過ぎないと醒めてる感性。迷惑が許されない社会で本当に面白いことなんてできるんでしたっけ? みたいな、リアルな感覚が通底しているので「あー、わかる~」と思いながら読んだ。文体は軽やかだけど軽くなくて、なんかWEBの面白いルポ記事を読んでいる感覚だ。いろんな考えを持つ人が出てくるけど、作者の手によって悪し様に描かれるような人がいないのも良かったな。

 

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