・こちらの記事でマンガを紹介してます。みんな定番を外して自分のセンスを誇示しようとしているので、よくあるマンガランキングにはあまり取り上げられないタイプのマンガが集まっている気がする。
・雨穴さんがオススメしていた『廃屋の住人』は最近読んで、かなり良かった。『後遺症ラジオ』は昔読んで「こっわ……」と思ったのを思い出した。『不安の種』もいいけどこっちもとてもよい。『不安の種』は最後にその怪談を収集した土地の名前が出るのだが、なぜか杉並区に怪異が集中している。
・私が挙げた『誰でもないところからの眺め』はホラーマンガというジャンルで括っていいのか微妙なところではある。少なくともそういう括りで描かれた作品ではない。が、私が読んできた作品の中ではトップクラスに「怖い」と思ったので選んだ。私は、自我が失われるのが何よりおそろしい。あと、自然の斉一性が揺らぐのも怖い。「昨日まで成立していた法則が、なぜ明日も成り立つと言えるのか?」という、科学の枠の外に常にある問いの存在を思うと、いつも背筋が凍りますね。その種の恐怖はわからない人には全くわからないらしいので、『誰でもないところからの眺め』はかなり人を選ぶと思う。
・最近読んだホラー漫画だと『つるんづ怪談』(つるんづマリー)もよかった。怖いんだか滑稽なんだかよくわからない話がゆるい絵柄で描かれるのだけど、このゆるさが逆にリアル感を醸し出している。
・昔の漫画だと『怪談人間時計』(徳南晴一郎)も思い出深い。戦後の貸本屋で扱われていた二束三文の怪奇漫画だ。絵は下手で話もめちゃくちゃなのだが、作者の病理と鬱屈が怪奇漫画のプロットを通じて流れ出てきたかのような異様な雰囲気には独特の味があり、貸本マニアの人気を集めた。90年代になって太田出版から復刊され、中学生でサブカルにかぶれた私はそれを買い求めた。
・今は電子版で買える。いい時代だ。それにしても凄い絵柄だ。主人公の名前のセンスも凄い。名字が「声」って。
コメント
鏡にお姿が撮影者が映っていないことにたじろぎました。