「これも演出なのか!?」2025年12月25日の日記

日記

・そういえばこれ告知し忘れてたかも! 呉勝浩さんの長編小説『Q』の文庫版(下巻)に解説を執筆しています。以前、文春でみじかいレビューを書いたので、それを補って発展させたような内容になっている。ネタバレ満載なので本編を読んでから目を通してください。著者以外の解説は、読者が最後に目にするテキストであり、作品全体の印象すらある程度左右してしまいかねないので緊張する。野崎まどさんの『タイタン』以来2度目だけれど、この仕事に慣れるということはなさそうだ(今後仕事をいただけるかはともかく……)。大森望さんとか、すごいよな。

 

 

・今日までの開催だった『国立競技場からの脱出』に参加。国立競技場の内部を歩き回って謎を解く。最後の10分間はタイムアタックになっていて、最後のキーワードをひらめいた人から順に「ゴール」に走るという競争になる。もちろん競技場なので走ってもよい。「会場では走らないで」と口酸っぱく言われてきた鬱憤を晴らすように走りまくる大人たちを見ることができたし、自分も走った。たぶん3番目くらいだった。

・おもしろかった! でも最近流行っているような、高難易度×入り組んだパズル×驚きの技巧とトリック……という感じでは全然なくて、10年前に行ったSCRAPの謎解きに近い、どちらかといえば王道かつ素朴な内容だった。でもハッとするほど楽しいのだから不思議だ。導線がしっかりしてて、考えることが明確で、なにより広いのがよかったのかも。つまり、遊ぶうえでの些細なストレスが極力排除されている。頭の中で要素がこんがらがることがなかった。

・そういえば、いよいよ最後に近づいてきた……というタイミングでけたたましいブザー音が鳴り「火災が発生しました」という放送が流れた。しかしみんな、私も含めて「おっ、面白い趣向ですな」という顔をしてのほほんとしていた。実際のアナウンスだった。報知機の誤作動だったようで、10分ほどして催しは再開したのだが、本当に災害が発生していても似たようなことになっていただろう。「え? これも演出?」とか言ってる間に、私たちは炎にまかれて死ぬ。

 

 

・ずっとうろ覚えの漫画がある。

・たぶん20年以上前の、青年漫画誌に掲載されていた読み切り漫画だ。父親が持って帰ってきた雑誌を盗み読みすることが当時はよくあり、その中の一冊だったと思う。

・画風はリアルで劇画的だった。確か、主人公が冒頭で殺されてしまう。そして意識を失い、気がつくと身動きが取れなくなっている。すると、自分を殺した仇敵の男が近づいてきて、仲間とともに自分を取り囲むように座る。

・そして彼らは、「自分の上で」麻雀を始める。主人公は、全自動雀卓に転生していたのだ。そうと知った主人公は、仇敵に配牌するときにわざと牌をつまらせるなどして妨害し、嫌がらせを働く。

・……というところまでは覚えている。細かいところは忘れたので、断片的なところだけ繋げて私の勝手なオリジナルになってしまっている可能性がある。ともかく「雀卓に生まれ変わる」「そこに自分の命を奪った奴が来る」までは確かだ。

・そして確か、主人公(雀卓)は、最後に破壊されるはずだ。理由は忘れたが、故障したと思われて腹いせに壊されるとか、廃棄されるとかだろうか。最後のコマは覚えている。主人公は次にカニに生まれ変わったのだ。そして「あいつを挟んでやる……」みたいなことを思って終わる。

 

・この漫画、なんなんだろう。数年に一度思い出しては検索し、見つからなくて諦めています。

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